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農産物(県産品)

かんしょ(Sweet potato)

2014年11月18日(火)

あふれる緑に包まれながら太陽の恵みをいっぱいに受けて、すくすくと大地の中で育ちます。黄色い中身はサクサクで柔らか、口の中でほんのり甘さが広がります。煮てよし、焼いてよし、蒸してよし、揚げてよしの4拍子そろった「熊本カンショ」。農家の人たちの知恵と努力が光ります。

 

「熊本カンショ」は焼き芋からお菓子、アルコールまで、幅広い用途で活躍します。

 日本への伝来は記録上では1615年にイギリス人・ウィリアム=アダムス(三浦按針)が平戸に持ち込んだとされていますが、その数年前にはすでに琉球(沖縄)から薩摩(鹿児島)に入っていたと言われています。これを広めたのが江戸中期の蘭学者・青木昆陽。県下では天明6年(1786年)頃に菊池地域に普及していたと考えられ、当初は焼酎の原料やデンプン、アルコール用に栽培されていました。食用として栽培されるようになったのは昭和36年にコンクリート製貯蔵庫が考案され、長期保存が可能になってからのこと。現在、阿蘇外輪の裾野に広がる畑地帯を中心に県下一帯で栽培されています。作付面積1,270ヘクタールで、生産量は全国5位、生食用としては全国第4位の出荷量を誇ります。


 

栄養価 食品成分

(科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」より引用 可食部100グラム当たり)  さつまいも 塊根 生

 ・エネルギー132kcal ・水 分66.1g ・蛋白質1.2g
 ・脂 質0.2g ・炭水化物31.5g ・灰 分1.0g
 ・カルシウム40mg ・リ ン46mg ・鉄0.7mg
 ・ナトリウム4mg ・カリウム470mg ・マグネシウム25mg
 ・亜 鉛0.2mg ・銅0.18mg ・カロテン23μg
 ・ビタミンB10.11mg ・ビタミンB20.03mg ・ナイアシン0.8mg
 ・ビタミンC29mg ・食物繊維2.3g  

注意:この成分値は、画面で紹介している農産物の分析値ではありません

 

生産の様子

 

育苗(伏込み)定植
◆育苗(伏込み)
一般的には収穫のときにとっておいた健全な種(親)カンショを3月上旬からハウス内で育て、新しい苗にしていきますが、最近はウイルス性の病気が発生しない「ウイルスフリー苗」の利用が拡大しています。この苗はウイルスの入っていない茎の先端の細胞を切って培養したもので、病気知らずの元気なカンショが育ちます。生産者たちはこの苗をハウス内の苗床に伏込んで、水やりや温度管理を徹底しながら伸びてきたツルを次々に切って苗にします。
◆定植
4月下旬~6月頃、地温を確保し、雑草を抑制するため畝(うね)にマルチを張っておきます。そこに等間隔に苗を植え込むと1週間前後で根付き、120~150日後に収穫期を迎えます。栽培中は、ほとんど農薬散布を行わないので、より安全で元気なカンショを収穫することができます。
 


 

収穫貯蔵

◆収穫

10月中旬~11月中旬に最盛期を迎え、「この時期は朝から晩まで畑のなか」と笑顔で生産者たちは話します。晴天の日、最初に葉の部分をつる切り機で刈り取ったあと、マルチをはがして掘り取り機でカンショを掘っていきます。最近はカンショを掘り起こしながらベルトに乗せていく「自走式収穫機」が登場して収穫作業がずいぶん楽になったものの、重いコンテナを運ぶのはやっぱり大変な力仕事です。

◆貯蔵

8月に収穫するカンショは貯蔵を行わず、そのまま出荷。9月以降の収穫分から病気が入っていない無傷のカンショだけを貯蔵庫に運び、アツアツの焼きイモがおいしくなる季節まで貯蔵します。盛り土によってつくられたこのコンクリート製貯蔵施設には、長期間の保存に耐えるための工夫として小さな煙突が付いています。これは貯蔵庫のなかの温度を常に同じ状態に調整するためのもので、夏は涼しく冬は暖かく庫内を保っています。カンショ栽培が広がるエリアを通ってみると、あちこちの道路わきや畑の間に自然の地形を生かした貯蔵庫を見かけます。まるで小さな古墳のようにも見えますよ。


 

生産の工夫

 

ほりだし君出荷調整土の若返り

◆ほりだし君

ウイルス性の病気が発生しない「ウイルスフリー苗」を利用して育てた熊本のカンショを「ほりだし君」というブランド名で平成4年から販売しています。「ほりだし君」は安心・安全なカンショとして全国的にも有名で、市場からは「肌もきれいで素肌美人」と高い評価を得ています。県下では主に菊池郡大津町や西原村、益城町などで栽培されています。
 

◆出荷調整

生産者たちはその日に出荷するカンショを貯蔵庫から取り出し、自宅で出荷作業を行います。まず機械洗浄で泥や汚れを洗い流し、コンテナに入れたまま自然乾燥させたあと、茎や根の不要な部分をきれいに切りそろえます。「重さや大きさを正確にそろえながら箱詰めしていくので、とても気を使うし時間もかかる」と話す生産者。繁忙期には1箱5キロ入りのカンショを400箱、コンテナにして約100杯分を自宅から近くの集荷場に出荷すると言います。1月~2月に出荷ピークを迎えるある集荷場では、期間中に日量30トンを全国に送り出します。

◆土の若返り

カンショは手間がかからず育てやすい作物と言われますが、たい肥を入れすぎると葉っぱだけが生長して細長いカンショしかできないなど、生産者の経験と技術が要求されます。そのため農閑期には土壌の成分を分析したり、完熟堆肥を投入するなど、より良い土づくりに努めています。また、連作を行うと畑のなかで吸収されない成分が蓄積され、カンショの不良(連作障害)を引き起こす危険性があります。そこで県下では平成7年から畑の上と下の土を入れ替える「土の若返り」(反転客土)を始めました。「天地返し」とも表現されるこのプロジェクトは生産者たちにとって数十年に一度行う大事業です。


 

備考

◎「カンショ貯蔵庫」は熊本で考案され、全国へ広まりました。
昭和36年に小さな古墳のようにも見えるカンショ貯蔵庫が誕生してから、「高系14号」という貯蔵性の高い品種を使って食用カンショの栽培が盛んになりました。9月~10月にかけて収穫したカンショを商品性を損なわずにいかに冬場の出荷時期まで長期保存するか-。菊池郡大津町のある生産者が従来から山際に掘られてあった蔵をヒントに現在のようなコンクリート製の貯蔵庫を発案しました。


 

食品の栄養や機能性

 

カンショの豆知識

「熊本カンショ」は焼き芋からお菓子、アルコールまで、幅広い用途で活躍します。

◎見分け方・選び方
表皮がなめらかで、むけていないもの。皮の色が美しく、鮮やかなものをおすすめします。細長いもの、凹凸が目立つものはあまり食味がよいとは言えません。形は両端が細くとがった円柱形(紡錘形)のものが良いでしょう。

 

◎保存方法
風通しの良い場所で保管して下さい。

 

◎食べ方
焼き芋やてんぷらに最適。蒸かし芋としても好まれます。熊本では「いきなり団子」が有名ですね。「さつまいもをいきなり切る」というのが名前の由来とか-。家庭でも作れますが、和菓子店などでも販売しています。そのほか「芋きんつば」や「くず芋」など、県内には甘くておいしいカンショの加工品がたくさんあります。

 

◎呼び方
カンショ(甘藷)は地域によって呼び方がさまざまです。熊本や鹿児島、宮崎では一般的に「からいも(唐藷)」として親しまれていますが、全国的には「さつまいも」と呼ばれているようです。


 

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