生食をはじめ、煮物、漬物、鍋物、汁物、炒め物―。だいこんは昔からさまざまな場面で活躍しています。甘くて柔らかい新鮮なだいこんをご紹介します。 だいこんはたくあん漬や切干し大根などの加工品としても日本人になじみが深い食べ物。つやつやとした真っ白いだいこんにはぎっしりと栄養が詰まっています。標高600~1,000メートル級の阿蘇小国郷等では、夏の冷涼な気候を生かしただいこんの高冷地栽培が行われています。
栄養価 食品成分(科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」より引用 可食部100グラム当たり) だいこん 根 皮付き 生
・エネルギー |
18kcal |
・水 分 |
94.6g |
・蛋白質 |
0.5g |
・脂 質 |
0.1g |
・炭水化物 |
4.1g |
・灰 分 |
0.6g |
・カルシウム |
24mg |
・リ ン |
18mg |
・鉄 |
0.2mg |
・ナトリウム |
19mg |
・カリウム |
230mg |
・マグネシウム |
10mg |
・亜 鉛 |
0.2mg |
・銅 |
0.02mg |
・カロテン |
0μg |
・ビタミンB1 |
0.02mg |
・ビタミンB2 |
0.01mg |
・ナイアシン |
0.3mg |
・ビタミンC |
12mg |
・食物繊維 |
1.4g |
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注意:この成分値は、画面で紹介している農産物の分析値ではありません
生産の様子  |  |  | ◆播種 最初の播種を行う2月下旬は、まだ気温が低く「とう」がたつ心配があるので被覆資材を用いたトンネル栽培で行います。そして5月頃になるとマルチの穴に機械で直接2~3粒ずつ種をまいていきます | ◆収穫 高冷地栽培を行う阿蘇地方では、平坦地で品薄になる6月~11月が出荷の最盛期。新鮮さを保つために播種後50日~55日の若いだいこんを太陽が昇る前の早朝4時から収穫します | ◆出荷調整 収穫しただいこんを自宅に持ち帰り、機械洗浄のあと手作業で小さな汚れをきれいに洗い流します。次に葉を短く切りそろえてから規格ごとに選別。一本一本を丁寧に袋詰めしたあと箱詰めします。そして午後に集荷場へ運び込み、検査を受けてから出荷します。 |
生産の工夫◆土づくり 阿蘇の野草を完熟堆肥にかえて、まるまると太っただいこんを育てています。「阿蘇の大地は火山灰土だけん、排水をよくすることがポイント」と生産者。だいこん畑には傾斜地が利用され、周囲には溝を堀る工夫がされています。
備考◎「まるごと一本」だいこん 販売数量・期間を限定した小国郷のだいこん「まるごと一本」が人気です。従来のように一箱に何本ものだいこんをそのまま入れて出荷するのではなく、一本一本を袋詰めにして販売するもの。生産者側は「だいだい60日で収穫するところをあえて10日間前倒しして出荷しています。とにかくだいこんの一番おいしい時期を知ってもらいたかった」。消費者にとっては、大きすぎず小さすぎない「まるごと一本」は核家族にとってちょうどいい食べ切りサイズ。平成9年から始めたこのユニークな試みは消費者に好評で、毎年県内の百貨店やスーパーで販売されています。今年は自然のおいしさをもっと味わってもらおうと、出荷規格を変更。4Lサイズのだいこんを仲間に加え、袋に付いているバーコードを消費者が集めて応募すれば、小国特産の景品が当たるという付加価値をつけて出荷しました。
◆食品の栄養や機能性
豆知識◎見分け方・選び方 包丁で切らない限り、「ス(空洞)入りだいこん」かどうかは判断しにくいもの。なかなか外見からは分かりません。そこで注目したいのが茎の部分。葉っぱの切り口をよく観察してみて下さい。もし空洞があれば、それは「ス入りだいこん」の可能性大です。気をつけて下さい。 ◎保存方法 「だいこんを逆さにして15℃くらいの土に埋めておくと3月くらいまでは保存可能。もちろんだいこんはビニールに入れて水分がしみ込まないようにしておかないといけないよ」とは生産者からのアドバイス。 ◎食べ方 だいこん葉にはビタミン類が豊富に含まれているので、食材として活用してみてはいかがですか。佃煮や油炒めにするとおいしく食べられます。だいこんの根元は辛いので普通はサラダやおろしには不向きです。できれば薬味などに利用することをおすすめします。生食用にはだいこんの上部を召しあがれ。 |