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農産物(県産品)

きく(Dendranthema grandiflorum )

2014年11月18日(火)

きくはサクラとともに日本を代表する国花です。長い歴史のなかで国民の生活に溶け込み、「菊のご紋」として皇室の紋章にもなっています。そのため香り高く、高貴な花としてのイメージがあり、キリッと引き締まった花姿は多くの人の目を引きつけます。

 

「品質の向上と収量の増大を図るためには健全な根を作ること」と話す生産者たち。日持ちがする鮮やかなボリューム感あるきくづくりが全国の市場に評価されています。

「品質の向上と収量の増大を図るためには健全な根を作ること」と話す生産者たち。日持ちがする鮮やかなボリューム感あるきくづくりが全国の市場に評価されています。
 

きくは「肥後六花」の一つにもあるように、古くから人々に愛されています。県内では宿根カスミソウ、トルコギキョウと並ぶ花き生産の大きな柱であり、その生産の拡大が更に図られています。県全体の生産量は3,195万本で、切り花全体の生産量の21パーセントを占めています。主な産地は鹿本・上益城地域を中心に熊本市や球磨地域などで、輪ぎくのほかスプレーぎくの栽培が盛んに行われています。近年は新しい品種の導入も進んでおり、消費需要に応じた切り花を低コストで生産できる体制を強化しています。

 

 

 

生産の様子

育苗・定植蕾(つぼみ)つみ
◆育苗・定植
苗はさし芽で育てます。親株から出てきた穂を採穂し、清潔な専用土のなかに挿しておきます。最近は冷蔵庫に入れて苗の時に冬の状態を一度経験させておくという新技術の導入で、生長がそろった丈夫な苗を育てており、「冷蔵すると保存性が高くなり、定植時期を調整できる」と生産者たちは話します。しばらくして根が伸びてきたらフラワーネットを張った畝(うね)に定植し、ハウスの中にカビ等が発生しないよう注意しながら、まっすぐに茎が伸びるよう大事に育てます。
◆蕾(つぼみ)つみ
きく栽培で最も忙しい作業の一つです。きくは日長や温度など、その品種特有の開花特性をもち、その条件が満たされると花が咲き始めようとして蕾(つぼみ)がふくらみはじめます。そのままの状態にしておくと小さな花がたくさん咲き、大輪を咲かせることができないので、不要な蕾や小さな芽を生育段階に応じて丁寧に手作業で取り除きます。

 

収穫・選花電照栽培
◆収穫・選花
2分咲きの頃に収穫し、不織布に包んでそのまま自宅へ持ち帰ります。そこで選別機を使って規格ごとに選花し、10本一束に結んで水揚げをしたら、箱に詰めて近くの共同選花場へ運びます。農家の人たちが取り組んでいる厳しい出荷基準は、産地の高品質きくを維持し、市場からの高い評価につながっています。

◆電照栽培
県下では開花期のズレと電照栽培を組み合わせて一年中きくを出荷しています。電照栽培は日長の影響で開花する秋ぎく特有の栽培技術で、電灯をつけたり消したりしながら花の開花時期をコントロールして出荷時期を調整します。一般的に白熱灯や蛍光灯を利用した電照は低コストの深夜電力を利用して行われ、同時に夏は涼しく、冬は暖かくハウス内を保つために送風機を使って熱効率を高めます。「電照ぎくの栽培管理は細かく、出荷日を決めてそこから逆算して定植日や電照の時期を割り出していく」と話す生産者。実際には天候の変化で適切な管理計画を立てることが難しく、栽培農家の人たちの熟練した技と知識が必要になってきます。

季咲き-自然の開花期に開花 ⇔ 四季咲き-年間を通して開花



 

生産の工夫

 

出荷施設栽培
◆出荷
昭和50年代、全国に先駆けて航空便によるきくの出荷を始めました。「500キロ分のきくを出荷したら市場で大ウケしてね。『高品質のきくがフライトでやって来た』って言われて一躍、われわれが育てたきくが全国に知られるごつなった」と当時を振り返る生産者。低温輸送方式が登場してからはトラック便で東京方面に送り出しています。なかでも正月や盆、彼岸シーズンなどの物日に出荷ピークを迎えます。
 
◆施設栽培  
ビニールハウスだけでなく、ガラス温室や台風に強い耐候性ハウスを導入する農家もいます。「冬は17度くらいに設定しとるけんハウスの中はポカポカ。家の中より居心地がいいよ」と話す生産者。生育途中は特に病気が発生しやすいので、病原菌がハウス内で繁殖しないように天窓の開閉をはじめ、ハウス内の温度や湿度、風通しなどをこまめに調整しながら高品質のきくを育てています。
 

 

シェード栽培病害虫防除
◆シェード栽培  
電照栽培の場合は電灯をつけて花の開花時期を遅らせますが、「シェード栽培」はその逆で日照をさえぎることで花の開花を早めて出荷時期を早めます。カーテンで光をさえぎられたきくは日が落ちた(短くなった)と勘違いして花を早く咲かせるわけです。
◆病害虫防除
「病気や害虫が発生してからでは遅すぎるけん、できる限りの予防防除に努めることが大切」と話す生産者。粘着テープや防虫ネットを使用したり、風通しをよくする等、管理体制の整備・強化に取り組んでいます。


 

備考

◎きくの種類
きくにはたくさんの品種、花の色、大きさ、形などがありますが、大別すると観賞用と切り花用に分けられます。観賞菊は日本古来より伝わる秋咲きの花で、花の大きさ別に大菊・中菊・小菊があります。また、切り花は開花の時期によって夏菊、秋菊、寒菊などに分けられ、輪菊・小菊・スプレー菊の3つのスタイルがあります。輪菊は蕾(つぼみ)を摘んで茎に1輪~3輪の花をつけ、輪菊より花が小さめの小菊は枝分かれしてたくさんの花を咲かせます。また、スプレー菊は小菊と同じように小さな花をたくさん咲かせますが、様々な花型や花色で洋花的な趣きがあります。このようにきくは形だけでなく色も豊富なので、皆さんの目的や好みに応じて楽しめますね。
 

 

きくの豆知識 

「品質の向上と収量の増大を図るためには健全な根を作ること」と話す生産者たち。日持ちがする鮮やかなボリューム感あるきくづくりが全国の市場に評価されています。

◎九月九日は「重陽の節句(きくの節句)」といい、平安時代の貴族社会ではこの日にきくの花をお酒に浮かべて漢詩や和歌を作っていたそうです。

 

◎日本を代表する花として広く親しまれているきくは、私たちのパスポート(旅券)の表紙にも使われていますね。

 

◎花言葉
いろいろな花言葉を持っていますが、長寿や幸福を意味するものが多いようです。


 



 

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