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農産物(県産品)

宿根カスミソウ(Baby's breath)

2014年11月19日(水)

一株に小さな花をたくさんつける可憐で純粋なイメージのカスミソウ。ほかの花より繊細で、生育中の緻密な水分コントロールを行うことが品質の良いカスミソウを作るポイント。熊本県は全国一の宿根カスミソウ生産県として、全国各地に出荷しています。

 

真っ白い花を咲かせる「ブリストルフェアリ-」を主に栽培していますが、近年はより花が大きくて白い「雪ん子」などの生産も増えています。

真っ白い花を咲かせる「ブリストルフェアリ-」を主に栽培していますが、近年はより花が大きくて白い「雪ん子」などの生産も増えています。

県下の宿根カスミソウの栽培は昭和45年頃から菊池地域や天草地域で野菜後作として始まったと言われています。その後、フラワーアレンジメントや結婚式などのカスミソウブームにともない、稲作の転作作物として生産が本格化。現在はきくやトルコギキョウとともに県内の花き生産の大黒柱として安定した生産が行われ、全国一位の生産地として知られています。「鮮度を維持しながら、消費者ニーズに対応したものを全国に発信したい」という生産者の情熱と高度な技術が、こうした高品質の宿根カスミソウを作っています。
 

 

生産の様子

定植隔離床栽培
◆定植
ほ場(畑・水田)に肥料を与え、畝(うね)にマルチを張っておきます。マルチは保温や除草効果だけでなく、病気の侵入を防いだり、土壌中の水分を均等に保つことができます。その後、作型を分散して長期的に出荷を行うため、7月~10月にかけて購入しておいた苗をハウスごと1週間おきに定植。茎がまっすぐに生長するよう促すとともに台風による被害を最小限に抑えるため、生育段階に合わせてフラワーネットを張っていきます。
◆隔離床栽培
菊池地域では一般的な地床栽培に加えて、平成4年から「あぜ波板」を利用した簡易隔離ベンチ栽培を導入しています。あぜ波板で囲まれた枠の中に1本~2本の点滴チューブを通して細やかな水管理を行うことができるので、茎がかたくしまった日持ちの良い高品質のカスミソウを生産することができるようになりました。現在は同地域の約7割の栽培面積で、この技術が定着しています。


 

収穫共同選果・出荷
◆収穫
「冬と春では花の咲く状況が違うけん、その時の気候に応じて収穫時期は決めんといかん」と話す農家の人たちは全員で話し合い、収穫適期を決定します。そして収穫期には朝から花を切り、午後は自宅の作業場で出荷に向けた調整作業を行います。「一番大事なことは鮮度保持。収穫後すぐにバケツの中の水につけておき、集荷場でも検査の時しか水から上げることはせんよ」と話す女性生産者は、草丈や枝張り、茎の曲がりなどに気をつけながら次々に枝をそろえ、サイズや規格ごとに選別して10本一束に仕上げます。県下の主産地ではそれぞれが厳しい出荷基準を設けていますが、品質の向上を目指す生産者たちの努力のおかげで、市場からは大きな信用を得ています。

◆共同選果・出荷
自宅で出荷調整を行ったカスミソウをJAの集荷所に運び込み、検査まで水槽(水おけ)のなかで保管します。そして選別・検査に合格したものだけを箱詰めして、低温トラック(5℃)や航空便で出荷。県全体の約8割、菊池エリアだけでも9割以上のカスミソウを関東など県外エリアに送り出しています。

出荷方法については、平成6年に菊池エリアで始まった「縦箱バケツ輸送」が「さらに日持ちするカスミソウ」として全国の市場評価を一気に高めました。これは縦箱ダンボールの中のバケツに延命剤とショ糖を加えた水を加え、そのなかにカスミソウを入れて出荷するというもので、産地での努力が実を結び、鮮度保持力がグンとアップして市場までみずみずしさを保ちながら届けることができるようになりました。

この試みは全国に広がり、現在は多くの生産地で採用されています。なお、JA菊池の職員によると、最盛期の母の日前(4月~5月)とクリスマス前(10月下旬~11月中旬)には1日に1,500ケース以上を菊池エリアから出荷しています。


 

生産の工夫

施設栽培加温電照鮮度保持
◆施設栽培
ほとんどの生産者はビニールハウスを使い、寒さが厳しくなる頃にハウス内に内張り(ビニール製のカーテン)を張って、さらに保温性を高めます。また、ごく一部にはガラス温室や台風対策のための耐候性ハウスを導入している農家もいます。
 
 
◆加温電照
菊池地域では色々な栽培方法を組み合わせて9月~翌年6月まで出荷しています。なかでもブリストルフェアリーとほかの品種を組み合わせた新しい作型を加温電照栽培するようになってからは、冬春出荷用の宿根カスミソウをより安定的に生産することができるようになりました。
 
 
◆鮮度保持
熊本県では鮮度保持を図るために「縦箱バケツ輸送」を導入していますが、今後はゴミなどの環境問題に配慮した新たなバケツ輸送方式の開発に取り組む研究が進められています。また、産地から市場までの鮮度保持を確保するだけでなく、これからは市場から花屋までの流通システムの改善も視野に入れた新たな鮮度保持流通システムの構築を図ることが検討されています。


 

備考

◎「全国カスミソウくまもとサミットIN菊池」
菊池地域の農協と花き部会、熊本県花き協会カスミソウ専門部会が共同で主催する「全国カスミソウくまもとサミットIN菊池」が平成14年2月に菊池市で開催されました。これは消費拡大と生産の振興・発展を考えるとともに、全国のカスミソウ生産者が互いに交流を深め、生産技術の向上を図るもの。当日は全国の生産者や花き市場の関係者、関係行政機関の担当者など、770人もの人たちがたくさんのカスミソウで飾られた会場に集い、土井元章博士(大阪府立大学)の基調講演に耳を傾けました。また全国の産地代表者、流通関係者を交え、パネルディスカッションなどを開催。翌日は菊池エリアのほ場で視察研修を行いました。「日本で宿根カスミソウの営利栽培が始まって25年。熊本で全国の生産者が一同に集まるという初めての試みは、多くの参加者に好評でした」とほっと胸をなでおろす地元の関係者。平成17年は北海道で開催される予定です。


 

 

カスミソウの豆知識 

カスミソウ

◎2種類のカスミソウ
カスミソウには多年草と一年草があることをご存知ですか。よく花屋さんで見かける八重咲きの白い花が「宿根カスミソウ」で多年草のカスミソウ。庭などに咲いている白やピンク色の一重咲きの花は一年草の「カスミソウ」です。

 

◎楽しみ方
八重咲きの宿根カスミソウはボリュームもあり、ドライフラワーにピッタリ。花束やブーケの添え花としてだけでなく、カスミソウだけの花束も意外にかわいいものですよ。最近は品種も増えて、消費者の利用も拡大しています。

 

◎花言葉
カスミソウの花言葉は「清らかな心」、「切なる喜び」。

 

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