全国に知られたみかんの里。高品質の温州みかんはこの温暖な有明海沿岸の傾斜地でキラキラとまぶしい太陽を浴びて育ちます。熊本で生まれた新ブランド「豊福早生」・「肥のあけぼの」をご紹介します。 熊本県では6月~9月下旬にかけてハウスみかん、それ以降は年間を通して多種多様の露地みかんが10月~1月まで次々に出荷されています。なかでも露地みかんのトップをきって10月上旬から新早生の温州みかん「豊福早生」、中旬から「肥のあけぼの」が販売されます。この両品種は熊本県が昭和59年から独自に研究、開発を行い、平成10年から本格的に販売をはじめたもの。「豊福早生」はとても甘く、食味が優れています。「肥のあけぼの」は抜群の甘さのほか、外観、果実ともに濃い赤みが特徴です。また小袋が薄いのでとても食べやすいみかんです。
栄養価 食品成分(科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」より引用 可食部100グラム当たり) うんしゅうみかん じょうのう 普通 生
・エネルギー |
46kcal |
・水 分 |
86.9g |
・蛋白質 |
0.7g |
・脂 質 |
0.1g |
・炭水化物 |
12.0g |
・灰 分 |
0.3g |
・カルシウム |
21mg |
・リ ン |
15mg |
・鉄 |
0.2mg |
・ナトリウム |
1mg |
・カリウム |
150mg |
・マグネシウム |
11mg |
・亜 鉛 |
0.1mg |
・銅 |
0.03mg |
・カロテン |
1000μg |
・ビタミンB1 |
0.10mg |
・ビタミンB2 |
0.03mg |
・ナイアシン |
0.3mg |
・ビタミンC |
32mg |
・食物繊維 |
1.0g |
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注意:この成分値は、画面で紹介している農産物の分析値ではありません 生産の様子  |  |  | ◆剪定 樹が太陽の光をいっぱいに受け、元気に育つために、気象条件に合わせて無駄な枝の剪定を行います。 | ◆摘果 毎年、5月頃になるとかわいい白色のみかんの花が開花します。摘果はその2ヶ月後。傷がなくて大きくなりそうな実だけを残して玉ぞろいを良くします。摘み取らないと、たくさんの実に養分が行き渡り、小さなみかんしかできなくなるからです。生産者は夏の暑い時期、毎日この作業を繰り返し行います。 | ◆収穫 収穫バサミでみかんを傷つけないよう「二度切り」といって、まずは枝から実を切り離し、それからヘタの部分をきれいに切り落とします。 「二度切り」は一見それほど重要な作業とは思えませんが、実はとても大切な仕事。いったんみかんに傷が入ると、そこから腐敗がはじまり、コンテナ内のほかのみかんにも悪影響を及ぼしてしまいます。だから収穫や輸送、梱包のときにみかんがお互いのヘタで傷つかないように防止することが大切なのです。樹の年齢や大きさによって違いますが、1本の樹に500個~1,000個のみかんが収穫されます。 |
生産の工夫  |  | ◆マルチ栽培 果実の肥大が盛んな夏場頃から収穫時まで、広いテラスの園地に多孔質のマルチを被覆します。この多孔質マルチは雨水をシャットアウトし、地面への余分な水分浸透を防ぐ一方、地面から発生するガスや水蒸気は空気中に通すようになっています。高糖度のみかんを生産するため農家の人たちはさまざまな工夫と努力をしています。 | ◆新しい「3つの太陽」 太陽からの直射光、有明海からの反射光、そして段々畑を支える石垣からの反射光が、熊本のおいしいみかんを生み出す「3つの太陽」でした。ところが石垣栽培からマルチ栽培へと移行するなか、石垣からの反射光にかわりマルチの白いシートからの反射光(散乱光)が新しい「3つの太陽」になりつつあります。 |
 |  | ◆柑橘類の糖度を保証する光センサー 選果場に運び込まれたみかんは、まず腐敗したものが取り除かれます。そして自動的に光センサーによる糖度と酸度の測定を行います。等階級ごとに選別され、それぞれの規格ラインに分かれて進みます。最終的には個々の糖度・等級・階級のデータをもとに箱詰め作業が行われます。みかんは最初から最後までコロコロと転がらずにライン上を進んで行くので、商品性を損なわず劣化を防ぐことができます。ちなみに最盛期には県内から約100,000箱(1.000トン)のみかんが毎日出荷されています。 ◎「光センサー選別システム」はみかんを傷つけることなく、商品性を失わずに個別の糖度や酸のデータを正確に得ることができる画期的なシステムとして平成8年にJA熊本市河内支店に全国で初めて採用されました。 ◎毎年、多くの小学生がみかんの選果状況の視察に訪れて交流を深めています。 | ◆品評会 毎年、玉名地域で開催されている新早生みかんの品評会。生産者が一生懸命に育てたみかんがズラリと並んでいますね。 |
備考◎くまもとのみかん 生産量、栽培面積ともに全国第4位の「みかん王国」というだけあって、県下にはさまざまなみかんブランドがそろっています。例えば「夢未来くまもと」(熊本市)、「きらめき発信たまな」(玉名)、「サンサンうきっ子」(宇城)など-。各地域が品質の向上に努めながら一生懸命に栽培しています。出荷は県下一斉に行い、全国に熊本のみかんをPRしています。
◆食品の栄養や機能性
温州みかんの豆知識◎見分け方・選び方 柑橘産地のほとんどの共同選果場で「光センサー糖酸検査機」のシステム導入が進んでいるので、その味は保証書付き。ただし「みかんは大きすぎず、小さすぎずがいい」とは農家の人のアドバイス。小さいものは甘みが強いですが、同時に酸も濃縮されているからだそうです。外観で選ぶ場合は表面がツルツルとして色が濃いもの、果梗枝(ヘタの切り口)が小さく、底のくぼみが深いものが良いでしょう。お茶を片手に甘いみかん-冬のコタツでいかがですか。 ◎作型と品種 おいしいみかんを選ぶには作型や品種について覚えておくといいでしょう。作型には収穫の時期にあわせて極早生(新早生)、早生、普通があり、それぞれに「豊福早生」、「肥のあけぼの」、「興津早生」、「青島」など、何種類もの品種があります。いつごろ、どの品種がおいしいかは、それぞれのみかんの旬を見極めることです。 ◎保存方法 風通しの良い、涼しい場所に保管して下さい。 ◎使い方 みかんの皮を利用してみませんか。皮には精油の薬効効果が含まれているので、冬場のお風呂に入れればアロマと美肌効果が同時に楽しめます。カサカサお肌が改善されるかもしれませんね。 ◎「毎日くだもの200グラム運動」 果物の特性・機能などの情報をもっと知りたい方はこちらのホームページを見て下さい。http://www.kudamono200.or.jp/
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