生まれた背景について
・ 国際化の進展、物流の変化やライフスタイルの変化に伴う食生活の多様化など農業、農村を取 り巻く環境が大きく変化している中で、農業・農村の活力低下が懸念されています。
・ また、「食」と「農」の距離が広がってきており、生産者と消費者の関係が希薄化し、食の大切さや 農業に対する理解もうすれてきています。
・ BSEや産地表示偽装問題など、生産者と消費者の信頼関係を揺るがすような問題も発生する など食の安全性に対する消費者の関心が高まっています。
・ 一方、「旬の時期に旬のもの、地元のとれたてものを味わう」という豊かで健康的な暮らしが求め られ始めています。 |
【県民アンケート調査結果】(2002年県民アンケート調査報告書より)
●地産地消への関心度
項目 |
件数 |
割合(%) |
とても関心がある |
356 |
22.9 |
ある程度関心がある |
722 |
46.4 |
あまり関心がない |
277 |
14.6 |
まったく関心がない |
23 |
1.5 |
わからない |
162 |
10.4 |
無回答 |
66 |
4.2 |
計 |
1556 |
100 |
●農林水産物を購入する際、地元産を購入するか
項目 |
件数 |
割合(%) |
できるだけ買うようにしている |
833 |
53.4 |
特にこだわらない |
614 |
39.5 |
わからない |
46 |
3 |
その他 |
17 |
1.1 |
無回答 |
46 |
3 |
計 |
1556 |
100 |
●地産地消の取り組みに期待すること
項目 |
件数 |
割合(%) |
旬、栄養価、産地情報等の提供 |
552 |
35.5 |
直販所等での農林水産物販売 |
682 |
43.8 |
旅館等での積極的活用 |
155 |
10 |
地産地消キャンペーンの開催 |
205 |
13.2 |
健康的な食生活の推進 |
326 |
21 |
学校給食への積極的な活用など |
490 |
31.5 |
その他 |
30 |
1.9 |
期待していない |
72 |
4.6 |
無回答 |
112 |
7.2 |
計 |
1556 |
100 |
●ねらい
「地産地消」を県民的な取り組みとして進めていくため、生産者と消費者の交流が随時行われるようなネットワーク化を図るなど「食」と「農」との結びつきを強化し、県民一人ひとりが食生活や地域の農業、環境を身近に考えるような仕組みをつくっていきます。
このネットワークは、会員が自由な発想で主体的に行動できる民間主導型のゆるやかな連帯組織です。
※「地産地消」について 地域で生産したものを地域で消費することを一般的に「地産地消」と定義していますが、本会では、農林水産物をはじめ、伝統文化、地域文化、健康、環境など地域の魅力を活かすことにより、生産者と消費者の交流を通じて、より暮らしやすい豊かな生活や活力にみちた地域の実現を目指すための取り組みと位置づけています。 |
本県の農業・農村は、食料を消費者の方々に安定的に供給するばかりでなく、持続的な農業生産活動を通じて、県土・自然環境の保全や文化の伝承などの多面的機能の維持・発展にも大きく寄与してまいりました。しかしながら、長引く不況や輸入農産物の急増に伴い、農産物価格が低迷する中で農業経営は大変厳しい状況にあります。
また、昨今の食料消費の動向は、ライフスタイルの多様化等を背景に、個食化や簡便化志向の高まり、外食や中食の増加など、大きく変化しており、このことが食生活の乱れや食文化の衰退などにつながっていると指摘されているところです。
このような状況に対し、多面的な機能を果たす農業・農村を貴重な財産として次世代に継承していくためには、県民一人ひとりが命を育む食の大切さを再認識するとともに、交流等を通じて都市と農村、消費者と生産者が課題を共有し、役割を十分に認め合い、共に恩恵を享受していくという共生関係づくりが必要です。
このため、「食」と「農」の結びつきを強め、豊かで健康的な生活を享受するとともにくまもとのよさを再発見できるよう、「食」と「農」の結びつきを「消費者」と「生産者」のパートナーシップで構築することが必要であると思います。
くまもと食・農ネットワークは、この趣旨に賛同、行動する県民で組織し、共生関係づくりに効果的な手段である「地産地消」をキーワードとして、次の4つの視点に立って推進します。
1 生産
・県民が安心して消費できる新鮮で安全なおいしい旬の農産物をつくります。
・高齢者や女性の能力を活用した新たな産地づくりを進めます。
2 食と文化
・地場農産物を使った伝統料理のよさを活かし、新しい郷土食づくりに努めます。
・地域の農に関する伝統文化の保存、発展に努めます。
3 健康
・栄養バランスの偏りや生活習慣病から身体を守るため、地域食材の活用を進めるなど、
健全な食
生活の定着を進めます。
4 食・農教育
・地場農産物の学校給食への利活用と食・農教育を進めます。
・農業体験による食への意識の高まりを通じて“心身の健康づくり”に努めます。