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平成19年7月
 農業は水源の涵養、大気の浄化などの公益的機能を持っており、環境の保全に大きな役割を果たしていますが、一方で環境にマイナスの影響を与えていることも事実です。例えば、熊本県の飲用水の約8割は地下水に依存していますが、一部の地下水で硝酸性窒素が基準値を上回る現状にあり、その原因として、生活排水、家畜排せつ物の不適切処理とともに、農業における過剰施肥が挙げられています。熊本の恵まれた自然環境を次代に引き継ぐため、できる限り環境に対して負荷を与えない農業を推進しなければなりません。

  • 法律
  •  平成11年度に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入に関する法律」において、エコファーマーの制度ができました。エコファーマーとは、堆肥等による土づくりを基本とした化学肥料、化学農薬の使用量を低減する生産方式(持続性の高い農業生産方式)の導入計画を、県知事に認定された農業者の愛称です。

  • エコファーマーが取り組む技術
  •  農林水産省が示しているエコファーマーが取り組む技術は表1の通りです。

    表1 持続性の高い農業生産方式の構成する技術(省令指定) ※作物ごとにどのような生産方式が定められているかは、各都道府県の導入方針をご覧下さい。
    技術名内容
    1 土づくりに関する技術
    @たい肥等有機質資材施用技術土壌の調査を行い、その結果に基づきたい肥等有機物資材を施用する技術
    A緑肥作物利用技術土壌の調査を行い、レンゲ等の緑肥作物を栽培して、農地にすき込む技術。
    2 化学肥料低減技術
    @局所施肥技術化学肥料を作物の根の周辺の肥料が利用されやすい位置に集中的に施用する技術
    A肥効調節型肥料施用技術肥料成分が溶け出す速度を調節した化学肥料を施用する技術
    B有機質肥料施用技術なたね油かす等の有機質肥料を化学肥料に代替して施用する技術
    3 化学農薬低減技術
    @温湯種子消毒技術種子を温湯に浸漬することで、種子に付着した病原菌等を殺傷する技術
    A機械除草技術機械を用いて、畝間・株間に発生した雑草を物理的に駆除する技術
    B除草用動物利用技術アイガモ、コイ等を水田に放飼し、除草を行わせる技術
    C生物農薬利用技術天敵等を利用し、病害虫を駆除する技術
    D対抗植物利用技術土壌の線虫の生育を妨げる物質を分泌する植物を栽培することにより、当該線虫を駆除する技術
    E抵抗性品種栽培・台木利用技術病気や害虫に抵抗性を持つ品種の農作物を栽培したり、台木として利用する技術
    F土壌還元消毒技術土壌中の酸素濃度を低下させることで、土壌中の有害動植物を駆除する技術
    G熱利用土壌消毒技術土壌に熱を加えてその温度を上昇させることで、土壌中の有害動植物を駆除する技術
    H光利用技術害虫のなかには、特定の色に誘引されたり、忌避する性質があり、そのような色彩(光)を利用して害虫を駆除する技術
    I被覆栽培技術不織布、フィルム等の被覆資材により作物を病害虫から物理的に隔離する技術
    Jフェロモン剤利用技術害虫のメスが放出するフェロモンを利用し、オスをトラップで捕殺したり、交信を撹乱する技術
    Kマルチ栽培技術田畑の表面を紙、フィルム等で被覆し、雑草の発生を抑制する技術

  • 全国有数の認定数
  •  エコファーマーの方々には、持続的農業生産方式を導入することで2〜3割程度の化学肥料、化学農薬の使用量を削減していただきたいと考えていますが、これから環境保全型農業に取り組もうとする農業者の最初の一歩と位置づけています。
     熊本県では平成20年3月末で9,106件のエコファーマーを認定しており、全国でも有数の認定数となっています。環境立県を目指す熊本県では、農業の分野でも環境保全型農業を強く推進していきたいと考えていますので、この数字は非常に心強く感じられます。
  • エコファーマーへの期待
  •  行政に携わる者もエコファーマーの方々に環境保全型農業の推進役として大変大きな期待を寄せていますが、消費者の方々もエコファーマーが作られた農産物が、郷土の環境に配慮した安全で美味しい農産物であると期待されていると思います。
     ですから、エコファーマーの方々にはどうかその期待を裏切らないように、計画に沿って技術を導入されるとともに、安心・安全に沿わない農業資材の使用等は厳に慎んでいただかなくてはなりません。逆にそのことを徹底することは、消費者の信頼を勝ち取り、厳しい農業情勢の中で生き残るための大きな力となるはずです。

  • 状況調査
  •  そのため、県では今後エコファーマーの方々が、計画どおりにエコファーマー技術を導入されているか等について調査を行い、熊本県のエコファーマーの農産物が消費者の期待に沿うものであることを示していきたいと考えています。
     今後も一人でも多くの農業者がエコファーマーとなり、計画どおり持続性の高い農業生産方式を導入していただくとともに、関係機関一体となって環境保全型農業を推進していただくようお願いいたします。

  • お問合せ先
  •  ○熊本県農林水産部農業技術課 (TEL:096-333-2383)
     ○熊本農政事務所及び各地域振興局(農業普及・振興課)
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